Bibliography

19世紀以降のデンマーク絵画を知る上で参考になった文献を記します:

 

(001) Rønberg, Monrad & Linnet: Two Golden Ages – Masterpieces of Dutch and Danish Painting (Rijksmuseum, Amsterdam , Waanders Publishers, Zwolle and Statens Museum for Kunst, Copenhagen. 2001) オランダとデンマークの国立美術館が共同で2001年に行った展覧会のカタログ。17世紀半ばのオランダ黄金時代と19世紀前半のデンマーク黄金時代とを対比させるというテーマ。リアリズム絵画の進化を辿るという文脈で読み解こうということだが、取り上げられている作品の「リアルさ」は、現代の日本人にはやや距離のあるものかもしれない。

 

(011) Ny Dansk Kunsthistorie (Chief editor: Peter Michael Hornung) (10 vols. Fogtdal. 1993-1996. デンマーク語) “新”デンマーク美術史、全10巻。ヴァイキングが活躍する以前の5世紀頃の出土品辺りから扱われているが、”新”と銘打っているだけあって、6割の紙面が20世紀の芸術に充てられている。19世紀後半から1960年頃までが、実は最も興味深い発達展開があった時期だと思うので、この配分は妥当だと思う。デンマーク黄金時代については、さほど詳しくは述べられていない。取り上げられている作家/作品の選択は、個人的には必ずしも賛同できない部分もある。しかしこの種の編集出版は、公共的な性格を持たざるを得ない国家的な事業として位置づけられていると思うので、それもまた理解できることである。デンマーク語。

(101) Gertrude Hvidberg-Hansen: Brendekildes billedverden – stemning og skæbne (Odense Bys Museer / Odense City Museums. 2001. デンマーク語) 個人的にはかなり関心を持っているのが、フューンを中心に活躍したブレネキレ (H. A. Brendekilde)。彼の解説書としては、現在入手できる唯一のもの。

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